AIでWeb制作の仕事はなくなる?本当のリスクは「考えなくなること」

AIに指示を出すだけで、きれいなホームページを作れる時代になりました。

文章、画像、レイアウト、HTML、CSS、プログラムまで、以前なら何時間もかかっていた作業が、数分で形になることもあります。

そのため、最近はよく次のような意見を見かけます。

「Web制作の仕事はなくなる」
「もうWeb制作会社は必要ない」
「AIだけでホームページを作れる」

この意見は、完全に間違っているわけではありません。

AIによって、簡単なページ制作や定型的なコーディングの価値は、これから下がっていくでしょう。

しかし、私たちはAIと戦おうとは思っていません。

むしろクミディアでは、日常の仕事にAIを積極的に取り入れています。正しく使えば、AIは仕事を速くし、品質を高めてくれる非常に便利な道具だからです。

私たちが心配しているのは、AIが人間の代わりに考えることではありません。

本当の危険は、AIがもっともらしい答えを出してくれることで、人間が自分で考えなくなってしまうことです。

クミディアのホームページとコード確認画面を表示したWeb制作の作業環境
AIを活用しながら、コードや設定を人が確認するクミディアのWeb制作・運用イメージ

AIによって、何時間もかかっていた作業が数分に

以前は、HTML、CSS、PHP、構造化データ、サーバーの設定ファイルなどに問題があると、コードを一行ずつ確認する必要がありました。

小さな記述ミスを探すだけで、何時間もかかることがあります。

現在は、AIにコードを確認してもらうことで、問題のありそうな箇所を短時間で絞り込めるようになりました。

AIは、たとえば次のような作業を手伝ってくれます。

  • コードの間違いを探す
  • エラーの原因を説明する
  • 複数の修正方法を比較する
  • 構造化データを確認する
  • 見落としていた問題を指摘する
  • 分かりにくいコードを説明する

以前なら数時間かかっていた問題が、数分で解決に近づくこともあります。

これは、Web制作会社にとって大きな進歩です。

ただし、AIの回答をそのまま公開中のホームページに入れるわけではありません。

内容を理解し、本当に正しい修正なのかを確認し、バックアップを取り、動作をテストします。別の機能が壊れていないかも確認します。

AIは、答えに早く近づくための道具です。

その答えを採用してよいか判断するのは、今も人間です。

AIは専門知識を不要にするのではなく、専門知識をより速く活用できるようにします。

きれいな画面ができても、ホームページが完成したとは限らない

AIは、ホームページの見た目を作ることがとても得意です。

きれいなトップページ、スマートフォン対応のデザイン、ボタン、アニメーションなどを短時間で作れます。

AnthropicがAIによるコーディング利用を調査したところ、JavaScript、HTML、CSSなどのWeb制作に関係する用途が多く、画面やユーザーインターフェースの制作にも広く使われていました。

出典: Anthropic「AI’s impact on software development」

つまり、利用者や経営者から見える部分は、以前より簡単に作れるようになっています。

しかし、会社のホームページには、画面からは見えない部分があります。

たとえば次のようなものです。

  • サーバーとデータベース
  • ドメインとDNS
  • 管理者権限
  • 問い合わせフォーム
  • メールの送信設定
  • 迷惑メール対策
  • セキュリティ
  • バックアップ
  • アクセス解析
  • 検索エンジン対策
  • 個人情報の管理
  • 外部サービスとの連携
  • 不具合発生時の復旧

見た目がきれいでも、これらが正しく動いているとは限りません。

問い合わせフォームは、送信ボタンを作れば終わりではない

分かりやすい例が、問い合わせフォームです。

AIを使えば、名前、メールアドレス、問い合わせ内容、送信ボタンを短時間で作れます。

しかし、本当に大切なのは、そのあとです。

送信された内容が担当者へ届いているか。迷惑メールとして消えていないか。個人情報が安全に扱われているか。不正な送信を防げているか。問い合わせ数が正しく計測されているか。

画面に「送信が完了しました」と表示されても、会社にメールが届いていないことがあります。

利用者から見ると正常です。

しかし会社側では、大切な問い合わせを失っています。

これが、きれいな画面を作ることと、事業で使えるホームページを運用することの違いです。

AIは間違っていても、自信があるように答える

AIが作る文章やコードは、とても自然で、正しそうに見えます。

しかし、正しそうに見えることと、本当に正しいことは同じではありません。

Stack Overflowの2025年調査では、AIツールの正確性を「信頼する」と答えた開発者よりも、「信頼しない」と答えた開発者のほうが多いという結果が出ています。

出典: Stack Overflow「2025 Developer Survey: AI」

これは、開発者がAIを嫌っているという意味ではありません。

経験がある人ほど、もっともらしい回答をそのまま信じる危険を知っているということです。

経験のある人は、AIが作ったコードを見て、次のように考えます。

「この修正は、別の機能に影響しないか」
「セキュリティ上の問題はないか」
「今のサーバー環境で使えるか」
「元に戻す方法はあるか」
「本当にこの会社の目的に合っているか」

AIを使うこと自体は簡単です。

難しいのは、AIの答えを正しく評価することです。

AIは、強い会社をさらに強くする

GoogleのDORAによる2025年の調査では、AIは組織の能力を高める一方で、もともと存在していた弱い仕組みや問題も大きくする可能性があると説明されています。

出典: Google DORA「State of AI-assisted Software Development 2025」

きちんとした確認体制がある会社では、AIによって作業を速くし、品質を高めることができます。

反対に、確認せずにAIの回答を使う会社では、間違った情報や安全ではないコードを、以前より速く大量に作ってしまう可能性があります。

AIが悪いのではありません。

使う人と、使い方の問題です。

Web制作の簡単な部分は、これから安くなる

テンプレートを使った簡単なホームページ、一般的な文章、単純なコーディングなどは、AIによって短時間で作れるようになります。

小さな店舗や個人が、自分でホームページを作りやすくなることは悪いことではありません。

すべてのホームページに、高度な技術や継続的な管理が必要なわけでもありません。

ただし、次のような役割を持つホームページは、話が別です。

  • 問い合わせを受け付ける
  • 個人情報を扱う
  • 検索順位が売上に影響する
  • 予約や決済を行う
  • 複数の担当者が更新する
  • 会社の信用に関わる
  • メールや外部システムと連携する

このようなホームページでは、見た目を作るだけでは足りません。

安全に公開し、問題なく動かし続け、異常があれば対応する人が必要です。

AIは使うべき。でも、考えることをやめてはいけない

私たちは、会社でも学校でも、AIの活用を進めるべきだと考えています。

AIは、調べもの、学習、文章作成、アイデア出し、プログラミングなど、さまざまな場面で役立ちます。

分からないことを理解する手助けにもなります。

ただし、AIに答えを出してもらうだけでは、知識や判断力は身につきません。

「なぜこの答えになるのか」
「本当に正しいのか」
「他の考え方はないか」
「情報の出典はどこか」

こうした疑問を持つことが大切です。

電卓が普及しても、算数を学ぶ必要がなくならなかったのと同じです。

AIが普及しても、考える力や基礎知識は必要です。

AIを使うことが問題なのではありません。AIを使うことで、自分で考えなくなることが問題です。

クミディアウェブマーケティングの事務所看板
クミディアは、AIの速さと人間の判断を組み合わせ、Webサイトを安全に運用しています。

AIの速さと、人間の判断を組み合わせる

クミディアは、AIか人間か、どちらかを選ぶ必要はないと考えています。

私たちはAIを活用します。

コードの確認、エラーの発見、調査、文章の整理など、AIによって仕事は速くなりました。

しかし、会社のホームページには、速さだけでなく、安全性、正確性、事業への理解、そして責任が必要です。

クミディアが目指しているのは、AIを拒否することではありません。

AIの速さと、人間の判断を組み合わせることです。

AIは、答えを作る手助けをしてくれます。

その答えを本当に使ってよいか決めるのは、これからも人間です。

AIを活用しながら、Webサイトを安全に運用したい方へ
クミディアでは、AIによる効率化と人による確認・判断を組み合わせ、公開後の更新、セキュリティ、SEO、問い合わせ導線まで継続して支援しています。

よくある質問

AIとWeb制作について、よくある疑問をまとめました。

AIでWeb制作の仕事はなくなりますか?

すべての仕事がなくなるわけではありません。ただし、簡単なページ制作、定型的なコーディング、一般的な文章作成などは、AIによって短時間でできるようになります。

今後は、作る技術だけでなく、AIの回答を確認する力、安全に公開する力、事業に合った判断をする力が、より重要になると考えています。

AIだけで会社のホームページを作れますか?

簡単な紹介ページや試作品であれば、AIだけでも作れる範囲は広がっています。

一方で、問い合わせフォーム、個人情報、メール送信、アクセス解析、検索対策、セキュリティ、バックアップなどを含む企業サイトでは、人による確認と継続的な管理が必要です。

AIが作ったコードは、そのまま使っても大丈夫ですか?

AIが作ったコードを、確認せずにそのまま公開中のホームページへ使用することはおすすめできません。

見た目では正しくても、現在のシステムに合わなかったり、別の機能を壊したり、セキュリティ上の問題を含んでいたりする可能性があります。

内容を理解したうえで、バックアップ、テスト、公開後の動作確認を行うことが大切です。

AIを使うと、人は考えなくなってしまいますか?

AIを使うこと自体が問題なのではありません。

AIの回答を確認せず、そのまま信じる習慣がつくと、自分で考えたり調べたりする機会が減る可能性があります。

「なぜこの答えになるのか」「本当に正しいのか」「出典はどこか」と考えながら使うことが重要です。

Web制作会社は、これからも必要ですか?

簡単なホームページを作るだけであれば、制作会社へ依頼する必要性は以前より下がるかもしれません。

しかし、集客、問い合わせ、個人情報、検索順位、セキュリティ、外部サービスとの連携、複数担当者による更新などが関係するサイトでは、専門的な管理が必要です。

Web制作会社の役割は、ページを作ることから、Webサイトを安全に運用することへ変わっていくと考えています。

クミディアではAIを使っていますか?

はい。クミディアでは、コードの確認、エラー原因の調査、文章の整理、情報収集などにAIを活用しています。

以前は何時間もかかっていた確認作業が、数分で解決に近づくこともあります。

ただし、AIの回答をそのまま使うのではなく、人が内容を確認し、バックアップとテストを行ったうえで判断しています。

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Go Iijima

合同会社クミディアウェブマーケティング 共同創業者。 18年以上にわたり、Web制作・SEO戦略・サイト構造設計・アクセス解析・Webセキュリティ分野に従事。 茨城県を中心に全国および米国クライアントのWeb戦略を支援。 サーバー構築から設計・制作・運営・改善まで一貫して担当。 専門領域は、中小企業向けローカルSEO戦略と成果直結型サイト構造設計。 研究分野はWebセキュリティおよびエシカルハッキング。Goのブログ